8月読書 ⑴「さよならインターネット」
どうも、好きなジャンルは新書です。
活字はさほど得意でも無いので、本の虫みたいな人に憧れます。完全に読書はファッションか、暇つぶし程度の私です。
さて、新宿ブックファーストさんの品揃えに興奮しすぎて、諭吉さん1名をお見送りするくらい本を買ってしまいました。
もう戻ってこない諭吉さんを偲び、無駄遣いだったなどという事にだけはしたくないので、せめてものアウトプット。本のレビュー、メモ程度に書きます。
「さよならインターネット」家入一真
さよならインターネット - まもなく消えるその「輪郭」について (中公新書ラクレ 560)
- 作者: 家入一真
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/08/08
- メディア: 新書
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IT系(?)な仕事をしており、インターネッツ大好き!な友人が多いので、リリースされたのを知った数週間前から周辺では話題にのぼってて興味はありました。
どのへんが「さよなら」だったのか?
もっと技術とか概念の再提起とかがあっての「さよなら」を期待してたのですが、そういう意味のさよなら感は無くて、自己啓発的なさよならさだった気がします。
まず、全体を通した感想を書いておくと、8割がインターネットの歴史を懐古し、今のインターネットの息苦しさを淡々と。家入さんといえば炎上だの叩かれるだの、目立つ人だから余計渦中で今のインターネットの不穏な感じを感じてたんだろうなあ、と思いながら読む。
しかし、その間やたら著者のやってるサービスや事業名が連呼されるので、まさかこのまま思い出話と事業宣伝で終わるのか?!泣くよ?!と不安に震えながら読んでましたが、最後1割くらいでなんとなく「さよなら」しない前向きな内容が書かれていて、思っていたより後味良い終わり方でした。「解決方法を提案させてください」のあたりは若干ヤケクソ感あるのは気のせいか…?(締め切り追われて急いで書いたのかな?とか勝手に想像)
家入さん、なんだかんだ言ってインターネットの事がやっぱり好きだから、さよならじゃなくて、まだこれからも一緒に歩いていくために向き合い方変えようね、て感じで、今の自分の生活や生き方含め、インターネットに振り回されないもっと人間らしく健全な生き方をしようじゃない。ということなんだろうか。最後は読み手に「考えてみて」で終わってるので、勝手に考えときますね。
本書で言及があった本。私の大好きな「旅に出ること」が書いてあるらしいので、今度読んでおこう。
家入一真という人に興味が湧いた
本書を通して、このお方は、喜びとかよりも苦しんだ事がこの人の人生哲学を作ってるんだろうな、というのが私の感想で、今まで、ペパボとか都知事選とか、studygiftの炎上やらで存在は知ってはいたけど、この著者に初めて興味がわきました。人生の谷間を降っては登り、色々通り過ぎてきた人なんだろうな。
noteでえとみほさんが感想を書いてらして「我が逃走」気になってます。
「社長なんて」と思っていた私の気持ちを変えた一冊の本の話|えとみほ|note
※家入さんの回し者でも信者でもありません。
まとめ
- 読み進めやすさ:◎
- インターネット指数:◎
- 家入さんの思い出話指数:◎×6倍
- タイトル・帯の釣り感:否めない
最近のインターネットの世界は、生活のインフラ化、常時接続可能が当たり前。存在を認識する事も殆どなく、もはや空気。
しかし、かつてあった自由さと、物理・時間・現実の繋がりを超えて出会える場、奥行きがわからないくらい深いおもちゃ箱感。それらは薄れつつある。
今のインターネットは視野を固定しがちな仕組みで、迂闊な事が言えないから自由じゃなくて閉塞感ハンパないしみんな疑心暗鬼だし、盲目的で狂信的な人が増えすぎてるんじゃないか、この雰囲気は一酸化炭素中毒で窒息死みたいになりかねないから、一回立ち止まって外の空気と入れ替えてスッキリしよーぜ。な感じ。
私もインターネットが好きなので、これからも自由で未来が明るく思える場所であり続けて欲しいですね。
最後に。この本の感想を書く今日まで、私はずっと「家入真一(シンイチ)」だと思ってました。正しくは「家入一真(カズマ)」さんだそうです。ごめんねインターネット。